市ノ瀬 汗川
一ノ瀬王子(上富田町市ノ瀬)の川向かいで「汗川」という小川が、富田川に合流している。汗川の部落はこの小川の上流にあるが、昔の熊野詣の人々は、一ノ瀬王子に参拝して、汗川の出合うあたりで、富田川を渡ったのであろう。 この付近は熊野へ参るとき、途中で垢離(こり)をしたところで、昔、白河(しらかわ)上皇(じょうこう)・鳥羽(とば)上皇(じょうこう)が熊野(くまの)御幸(みゆき)の時、この地で垢離をとられ、汗を流されたので、汗川という地名になったといわれている。また、源平(げんぺい)盛衰記(せいすいき)に「三位(さんみ)中将(ちゅうじょう)入道(にゅうどう)は、日数(にっすう)経(きょう)ぬれば岩(いわ)田川(たがわ)に着き(つき)たまひて、一ノ瀬(いちのせ)の垢離(こり)をかいたまひ」とあり、これは平維盛の熊野詣(くまのもうで)をかきたまひ」とあり、これは平維盛の一節(ひとふし)。岩(いわ)田川(たがわ)は富田(とんだ)川(がわ)の古名(こみょう)で、一ノ瀬の地名は、一ノ垢離をかくところから起こったりする説がある。この付近は汗川の地名とともに、熊野詣に関係の深い土地柄である。
汗川の名前の由来
汗川の集落は、この川の上流にあるが昔の熊野詣の人々は一ノ瀬王子に参拝して汗川と富田川が合流するあたりで川を渡ったのであろうと伝えられています。 この近くでは熊野詣へ参るとき、途中で垢離(川の水で体を清めること)をしたところで、昔、白河上皇・鳥羽上皇が熊野御幸(みゆき)の時、この地で垢離をとられ、汗を流されたので「汗川」という地名になったといわれています。この近くでは汗川の地名とともに熊野詣と深い関係のある土地なのです。現在では、川は汚れており、昔は垢離ができるほどきれいな川だったのかと思うほどです。汗川がきれいな川に戻ってくれるよう私たちも協力していきたいと思います。

